ヒラメとマグロあなたはどっち派 筋線維のおはなし

筋線維の種類は二つある

といっても食べ物の好みの話ではありません。ご存知のように筋肉は大きく二つの種類(正確には線維)に分けることが出来ます。白い筋肉と赤い筋肉です。魚のヒラメは海底でじっとしているイメージが強くゆっくりした動きをするように思えますが、捕食をする時の動きは非常に俊敏です。また、ヒラメはタイと並んで白身魚の代表です。対して、マグロは回遊性の青ものの代表としてカツオやサバ・イワシ・サンマなどと並び赤み魚と呼ばれます。回遊性なので動きは俊敏ではありませんが、いつまでも泳いでいることが出来、疲れにくいのです。人間も、それぞれの特徴をうまく生かした筋肉線維の種類があります。それが、ご存知「白筋」と「赤筋」です。

なぜ白と赤なのか

なぜ白や赤などの色で分けるのでしょうか。これは筋肉の線維内にあるタンパク質の配分によります。そのタンパク質は「ミオグロビン」といいます。ミオグロビンは酸素との親和性が高く酸素を筋組織に貯蔵する役目を果たしていますが、全体としてみると赤みがかっています。このミオグロビンが多い筋線維を「赤筋」といいます。対する速筋線維にはミオグロビンがあまり含まれていません。従って、全体としてみると赤み帯びることがなく白っぽく見えるのです。

遅筋と速筋とは

一方で、白筋は速筋とも呼ばれます。白身魚のヒラメが俊敏な動きをするように白筋は速く動くことが出来ます。しかし、疲れやすい特徴があります。対する赤筋は遅筋と呼ばれます。赤み魚のマグロがいくら泳いでも疲れないように、赤筋は素早く動くことは出来ない代わりに疲れにくいのです。速筋と遅筋を分けているのは、筋組織の構造の違いです。

筋収縮のエネルギーの作り方

筋収縮を始めとして、人間が生きていくためにはエネルギーが必要です。人間は体内にあるATP(アデノシン三リン酸)という物質から得られるエネルギーを使います。体内でエネルギーを作る時にはこのATPをつくる化学反応が起きますが、この反応は一つではなくいくつか存在します。一つ目は、筋肉に含まれるクレアチン酸からATPを作る方法で、最も早くATPを得ることが出来ます。しかし、この方法は10秒ほどで限界に達してしまい長続きしません。二つ目は解糖と呼ばれ筋肉に蓄えられているグリコーゲンを使う方法です。酸素供給のない状態でATPを産生できます。そして3つ目は血液から取り込んだグルコース(ブドウ糖)や脂肪酸を分解してATPを作る方法で、クエン酸回路と呼ばれます。クエン酸回路は血液から栄養や酸素の供給があれば長時間に渡ってエネルギーを作り出すことが出来ます。

白筋は解糖 赤筋はクエン酸回路によってエネルギーを作る

このようにいくつかのエネルギーの作り方がありますが、白筋は解糖によって、赤筋はクエン酸回路によってエネルギーを作り出します。白筋は酸素供給がない状態でATPを作ることが出来る解糖と呼ばれるシステムでエネルギーを作っていますので、非常に素早く強い動きが出来る反面疲れやすいという特徴を持ち、対する赤筋は強くはないが、酸素供給があれば長時間の運動が可能であり、疲れにくいという特徴を持ちます。
このように私たちの身体は異なった特徴の筋肉が存在しています。瞬発力に優れていて大きな力を発揮できるが疲れやすい速筋・白筋と、瞬発力はないが長時間力を発揮することが出来る遅筋・赤筋という二つの筋肉の特徴のおかげで私たちは様々な動きが出来ているのです。鍋に手を触れてしまった時、やけどをしないように咄嗟に手を引く時は瞬発力に優れた白筋が活躍し、長時間立っていなければいけない時は持久力に優れた赤筋が活躍します。個人差はありますが、必ず両方の線維を持ち合わせている人間の身体は本当に優れていると思いませんか?あなたはヒラメとマグロ、どっちの線維が多いのでしょうか?

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